「さらばとは言わない」
- 2023.11.27 Monday
- 17:33
「さらばとは言わない」という曲をご存知でしょうか。
映画「サイボーグ009 超銀河伝説」の挿入歌で、町田義人さんが歌っています。ググると、1980年公開の作品で、当時わたしは小学生でした。
もともとテレビアニメの「サイボーグ009」(一応カラー版ですよ)が大好きで、映画も劇場で見ました。
その中で、挿入歌だった「さらばとは言わない」がめちゃめちゃ好きで、映画を見ている時にも涙が出てきたのですが。
何がいいと言って、009たちが敵と戦うために旅立つ時に流れるのですが、
必ず帰れよ この故郷に
命を落とすな 大事にしろよ
戦いの中でも 守ってくれ
というくだりです。
まだまだ幼かったのですが、戦場に赴く人たちに「死んで来い」と言って送り出した我が国の軍部や特攻隊という無謀な戦法に対して疑問を持っていたので、「そうだよ、これだよ」と思ったんですね。
「生きて帰れ」と心で思っていても口にできなかった異様な時代と異なり、この歌では「命を落とすな」と送り出し、「必ず帰ると信じているから、さらばとは言わない」と言うんですよ。
戦い自体が無い方がいいけど、戦わなければならないなら、せめて生きて帰れ、命を惜しめ。
そういう思いがこもっていますよね。
009のテレビアニメの主題歌の「誰がために」も好きですね。
だが我々は愛のため 戦い忘れた人のため
涙で渡る血の大河 夢見て走る死の荒野
聴いててきついですよ、正直。
ああ、戦うってそういうことだよね、とか。
009たちは勝手に戦闘マシーンに改造されて、その組織と戦うことになっちゃったわけで、戦うことを望んでいないのに戦っているんですよね。
もう、聴くたびに涙がこみ上げてきますよ。
戦いたくない、殺したくないのに、「血の大河」ができるほど戦わなければならない。
戦わなくていい「いつか」を夢見て、死が身近な戦場という荒野を走る。
もともと原作者の石ノ森章太郎さんは、戦争を知っている世代で、もう二度とそういう時代になってはいけないというような思いを込めて、009や仮面ライダーを描かれたと聞いています。
「誰がために」の作詞は石ノ森章太郎さんなので、その思いが込められた歌詞なんだろうなと勝手に思っています。
もともと「誰かのために戦いに赴く人」が描かれているドラマや映画に惹かれる子ども時代〜思春期だったので、そういう意味では「戦争もの」の悲壮感は好きなんですが、それはそういう死が美化されず、悲惨なものであることが描かれていてこそでした。
当時、そういう作品を見ると、主人公や周囲の人が死んでしまうシーンではバーッて涙が出てきそうになりつつ、家族を含めて他人にはそれを見せることができず、ぐっとこらえていましたね。
今は一人暮らしなので、そういう物語を見るとボロボロ泣いてしまいます。
特に、昔見て泣いた同じシーンで何度でも号泣します。
年を取って、更に涙もろくなっている…というのは中年あるあるですかね(笑)
なんでいきなり、「さらばとは言わない」の話になったかというと、少し前にたまたま、久しぶりに小糸製作所のCMで町田義人さんの声を聴いたからです。
曲名が知りたくてググったら、「町田義人スーパーベスト」というCDがあることを知り、さっそくポチリまして。
認識していませんでしたが、CMの曲は「キタキツネ物語」の主題歌「赤い狩人」で、他にも「野性の証明」や「87分署シリーズ〜裸の街」の主題歌、挿入歌も町田義人さんでした。
どれも見てるはずなのに、ちゃんと町田義人さんだと認識してなかったことに、我がことながらちょっとびっくりです。
というのも、町田義人さんをご存知の方ならわかると思うのですが、本当に特徴的な歌声なので、「超銀河伝説」以降、聴けば「町田さんだ!」と思うはずだと思うんですよね。
何で認識してなかったんだろ(・・?
それはおいといて、町田義人さんの「スーパーベスト」めちゃいいですよ。
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